[SK033:相続]配偶者への自宅の贈与・遺贈が変わります(改正後の計算方法)

この度の民法改正により、2019年7月1日からは配偶者への自宅の贈与・遺贈が特別受益の持戻しの対象外になりました。

例として自宅2,000万円と現金2,000万円、計4,000万円の財産を持つ夫が死亡したとします。夫には同居の妻と別居のふたり息子がいた場合、妻が生前贈与や遺言で自宅を譲り受けていたとすると、妻への遺産分割はどうなるでしょうか。

これまでの法律ですと、自宅だけで法定相続分を全額相続してしまっている妻は現金をいっさい相続できず、当面の生活費に困ってしまうという事が起きていたりしました。

そこで今回の法改正では、妻が夫から生前贈与や遺贈で譲り受けた自宅は遺産分割の対象外となりました。

法改正後の計算では、まず妻は生前贈与や遺贈で受けた2,000万円の自宅をそのままもらえます。さらに遺産分割の対象である現金2,000万円のうちの二分の一、すなわち現金1,000万円も妻は相続できます。よって妻は計3,000万円を相続します。そして息子は残りの現金1,000万円をふたりで500万円ずつ遺産分割します。

このように新しい法律では、相続によって配偶者が自宅を手放さなければならなくならないよう、配偶者を手厚く保護するようになりました。

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