[SG002:行政書士試験]代物弁済

事例問題です。

BさんはAさんへ2万円を貸しました。それからふた月ほど経ちましたがBさんはAさんからおカネを返してもらっていません。心配になったBさんがAさんの家に行き「早くおカネを返してほしい。」と訴えると、Aさんは箱から腕時計を取り出して「代わりにこの腕時計をあげる。これで借金を帳消しにして。」と言いました。カッコいい腕時計だったのでBさんは了承して腕時計を持ち帰りました。

その2日後、BさんはAさんから連絡を受けました。Aさんは「昨日、ネットオークションをしていて気付いたんだけど、先日君に渡した腕時計には結構なプレミアが付いていて、今だと6万円で取引されている。だから実際の時計の価値6万円と借金2万円との差額である4万円を支払って欲しい。」

さて、Bさんはこの4万円をAさんに支払わねばならないのでしょうか。

 

答え:支払う必要はない

一般的に、借りたおカネをおカネ以外のもので弁済することを「代物弁済」といいます。代物弁済では両者の合意さえあればおカネの代わりに提供するモノ自体の価値は問われません。代物弁済をすると債務は消滅します。

今回のケースでは、たとえ後から知った腕時計の価値が6万円に跳ね上がっていようが、3円に暴落していようが、代物弁済により既に債務は消滅していることになります。よって腕時計の現在の価値と借金との間にいくら差額があったとしても、それをBさんがAさんに支払う必要はありません。

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