例えば親が自分の息子のうちのひとりに独立開業資金を援助して応援したとします。この後もし親が亡くなった場合には、この開業資金は「生前贈与」として扱われます。
生前贈与には「持戻し(もちもどし)」という制度があります。これは遺産分割の計算時に、計算のベースとなる故人の財産に生前贈与を足す(戻す)ことを意味します。
しかし、親としては独立開業資金を提供するのは、その息子への特別な思いから応援するためであり、全体の相続とは切り離して欲しいと考えたとしましょう。さて、それを実現する方法はあるのでしょうか。
答えは「あります」。やり方は簡単。「生前贈与した息子の独立開業資金は遺産分割の対象となる相続財産とは無関係にすること」を「遺言」に意思として残せばいいのです。これを「特別受益の持戻しの免除」と言います。