[KQ012:建設業許可]誠実性

数多くある業種の中でもとりわけ建設業は、お客様や関係者の一生をも左右しかねない重大な仕事を担うことが多い業種です。

 

<建設業によくみられる特徴>

◆契約単価が高い
マイホームの建築やダムの建設など、個人にとっても企業や行政にとっても非常に高額な契約を行なうことが多い業種です。もし不正を働くような不誠実な者を業者として許可してしまうと、その被害は大変な額にのぼってしまいます。

◆とにかく安全が第一である
建設業は人々の安全に直接関わる仕事が多い業種です。文書を改ざんして安全基準を満たしているかのように虚偽の申告をしたり、見えない部分で手抜き工事をするような不誠実な者を業者として許可してしまうと、多くの人々をケガや死亡事故に巻き込みかねません。

 

そこで国や行政庁が建設業許可を与えるにあたっては、慎重に厳重な審査を行って、このような不誠実な者にお墨付きを与えることのないようにしなければなりません。このことは下記のように建設業法でも定義されています。

◆建設業法7条三
法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。

よく見るとこの条文には対象者のことも書かれています。簡単に言えば「法人の場合はその法人と役員そして営業所の所長だけである。」「個人の場合は本人と支配人だけである。」という定義となります。さらに言い換えると、「対象者はひとりで契約を結ぶことができる立場の人である」ということです。

なお、一般の従業員についてはそこまでは求められていないということになるので、許可申請をする際には留意するといいでしょう。