今年の10月17日に政府税制調査会が開かれ、相続税と贈与税の見直しが検討される運びとなりました。
現状では『贈与税より相続税の方が軽い』ため、高齢の親が若い子育て世代の子や孫に生前贈与で助けたくても、相続税より多くの税金を納めなくてはなりません。そのため生前贈与に二の足を踏んで、結局亡くなるまで財産を抱えてしまう国民が少なからずいるという状態が続いています。
相続税は『基礎控除』呼ばれる非課税枠が定められており、現在の基礎控除は『3千万円+法定相続人の人数×600万円』です。その枠を超えると10%~55%の累進課税が課されます。しかしこのような課税対象となるほどの多くの遺産を残して亡くなるという方は全体の8%しかいません。ほとんどの国民の相続税は非課税枠に収まっています。
他方、生前贈与の基礎控除は『年間110万円』しかありません。累進課税率も上限こそ相続税と同じ55%ですが上昇カーブが急なので、実際に収める税負担はやはり相続税より重くなっています。
少子高齢化が喫緊の課題である我が国では、生前贈与を促進するための対策が急務です。今後数年間の内に贈与税と相続税の制度も変わっていくと思われます。