[ZD006:雑記]未来予想図

先日、カラオケでドリカムの未来予想図Ⅱを歌いました。全部いい歌詞なのですが、なかでも次のフレーズがお気に入りです。

「ずっと心に描く 未来予想図は ほら おもったとうりに かなえられてく」

まったくその通りだと思います。

 

とはいえ、未来の予想や予測が容易ではないことも事実です。実際、過去にこんな事例があります。

1984年のこと。全米最大の電話通信会社AT&TのブラウンCEOは携帯電話事業を会社分割し売却する決断をしました。当時は今のように携帯電話やスマホが普及していない時代です。彼はモバイル事業の先行きは明るくないと判断し、長距離通信に注力する戦略を選んだわけです。

しかしその後10年も経たないうちにモバイル化の波が世界に押し寄せてきたのはご存知の通り。波に乗り遅れたAT&Tは経営が徐々に悪化。最終的にはある会社に吸収され消滅してしまいます。この会社こそが、あの時AT&Tに売却された携帯電話事業会社であるSBCでした。

この誤った戦略を選択した背景には、一流コンサルティング会社であるマッキンゼーアンドカンパニーの調査結果が絡んでいるとの話があります。携帯電話事業を切り離す2年前の1982年、AT&Tは莫大な費用を支払ってマッキンゼーアンドカンパニーにある調査を依頼をします。それは「携帯電話市場規模の予測」です。そして綿密な調査・分析の結果、得られた答が「2000年時点での市場規模は90万台」でした。この結果を受けてブラウンCEOは携帯電話事業を売却したと言われています。しかし現実の携帯電話市場は予測をはるかに越えて伸び続け2000年時点では1億台を超えるまでに成長していたというわけです。

多額のコストをかけ、優秀な頭脳が集まって調査・分析してさえもこの結果です。未来の予測がいかに困難であるかということが改めて分かります。このような事例はどこにでも起こりえるもので、決して他人事ではありません。

では、私たちはいったいどうすればよいのでしょうか。そこにはダイナブック構想を提唱したコンピュータサイエンティストであるアラン・ケイの言葉にヒントがあるようです。

「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」

 

再度、ドリカムの歌詞が頭をよぎります。

「ずっと心に描く 未来予想図は ほら おもったとうりに かなえられてく」