[SG003:行政書士試験]譲渡担保の特徴

「担保物権」とは、貸したおカネを返済してもらえなかった時に、担保になっている物を債権者が処分しておカネに換えてしまえる権利の事です。民法の担保物権には「法定担保物権」と「約定担保物権」があります。

法定担保物権とは法律に規定されている条件が整うと当然に発生する担保物権です。民法では「留置権」「先取特権」が規定されています。

約定担保物権とは当事者間の意思表示により発生する担保物権です。民法では「質権」「抵当権」が規定されています。

しかし、これら民法に規定されている担保物権だけでは実社会では対応しきれませんでした。そこで実社会の取引の中で自然と生まれ判例により認められた担保物権も現れるようになりました。このような物権を「非典型担保」と言います。

そんな非典型担保のひとつに「譲渡担保」があります。譲渡担保とは、おカネを貸した際に担保になっている物の使用収益権を債務者に残したままとする担保物権の事です。

例えば、自社の工場にある工作機械を担保にして銀行から運転資金を借りてくる場合などに利用されます。譲渡担保は質権と違い、担保になっている工作機械をそのまま工場に置いたまま業務にも使用できます(占有改定といいます)。そして万一、資金繰りが悪化したら、銀行は担保になっている工作機械を売却して回収することができるのです。

譲渡担保は「抵当権の動産(=不動産以外の物)版」と言えるかもしれませんね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です