相続は法定相続の割合に応じて行われるのが原則です。しかし現実として、親は自分が亡くなる前に、息子のうちのひとりにだけ住宅購入資金の一部を援助したり、娘のうちのひとりにだけ結婚する際の持参金を渡すようなケースが往々にしてあります。これらのケースを「生前贈与」と呼びます。
生前贈与は「婚姻や養子縁組のためもしくは生計の資本としての贈与」を指します。例えば生前贈与にあたる行為とあたらない行為は以下の通りです。
★生前贈与にあたるもの
マイホーム購入資金、開業資金、農家での農地、結婚の持参金
★生前贈与にあたらないもの
日々の生活費、学費、遊興費(競馬・パチンコ代)
上記で生前贈与にあたるとされているケースでも金額があまり高額でなかった時には、特別受益にあたらないと判断されることがあります。また、その逆のケースもあります。結局、実務上では金額が高額であるかどうかが最初のチェックポイントになっている場合があるというわけです。