[TS004:宅建試験]建築基準法の建築確認

宅建試験では建築基準法から毎年2問の出題があります。建築基準法は「単体規定」「集団規定」「建築確認」に分かれています。ただし単体規定は細かい割に出題されないことがちらほら。ですから基本だけを押さえて後回しにしましょう。まずは建築確認から。

建築確認は単体規定や集団規定が実際に守られるように設けられた手続きのことです。これはすべての建築物に必要な手続きかというとそうではなく、例えばちっぽけな建物などは建築確認がいりません。試験ではこの建築確認が必要かどうかについて事例を挙げて質問してきます。その判断に必要な暗記ポイントは以下のとおりです。

 

★一定の特殊建築物

全国どこでも

用途に供する面積100㎡超

ホテル・映画館・自動車車庫…

新築・10㎡超増改築・移転・大規模修繕・大規模模様替え・用途変更

 

★大規模建築物

全国どこでも

木造3階以上・延べ面積500㎡超・高さ13m超・軒9m超

コンクリート2階以上・200㎡超

新築・10㎡超増改築・移転・大規模修繕・大規模模様替え(用途変更は確認不要)

 

★上記以外の(特殊でも大規模でもない)建築物

都市計画区域内等のみ

新築・10㎡超増改築・移転

防火地域・準防火地域の増改築は10㎡以下もすべて実施

[TS003:宅建試験]平成30年度宅建試験の法改正情報

早いもので平成30年度宅建試験日まであとひと月ちょっととなりました。そこで今年度の宅建試験に関連する法改正の要点を箇条書きにしておきました。

 

①低廉な空き家等の売買又は交換の媒介に関する報酬改正

・400万円以下の土地建物

・報酬額18万円(税込み 194,400円)

・売主側のみ

・契約時の合意

 

 

②IT重説

・貸借のみ

 

 

③インスペクション

・媒介契約書面

→あっせん

 

・35条書面

→建物状況調査(~1年)の有無と結果

→ 設計図書、点検記録その他書類の保存の状況(×貸借)

 

・37条書面

→建物の構造耐力上主要な部分等の状況(×貸借)

 

 

④田園住居地域

・農業の利便の増進

・第一種・第二種低層住居専用地域+産直・飲食店

[ZR004:雑記]アンシェントホテル浅間 軽井沢

 

先日、軽井沢を訪れる機会がありました。宿には、かねてより友人から薦められていた「アンシェントホテル浅間 軽井沢」を選びました。

 

アンシェントホテルの入り口。森のぬくもりが感じられます。

 

フロントの様子。シックで落ち着いた雰囲気です。

 

ロビーの大黒柱。割れた柱の中から溢れる照明が印象的です。

 

そしてなんといっても宿のいたるところでアンティークの小物達が出迎えてくれます。レトロ好きな私にはたまりません!

 

例えばこれ。手回し式のレコードプレーヤーです。かなりの年代物ですがきちんと動きます。これにはビックリ。

 

そしてこの老紳士、実は貯金箱。右手にコインを載せて台座のボタンを押すと、右手が下がりコイン滑り落ちて口の開いたカバンにチャリンと入ります。芸が細かい!

 

さらに宿の敷地内には男の隠れ家的な古風な小屋があり、そこにも所狭しとアンティークな小物に満ち溢れています。いいですね!嬉しくて気絶しそう。

 

こちらは客室の窓から見る風景。テラスが緑に包まれています。

 

宿のすぐそばには自然に囲まれた遊歩道があります。フロントの方に「そこは熊が出るから気を付けるように」とさらりと言われ、どこまでが本気なのかわからないままクマ避けの鈴を貸してもらい、チリンチリンと鳴らしながら深く考えずに出発することに。

熊にちょっとおびえながら遊歩道を歩くこと15分。ようやくそれらしき小さな滝が見えてきました。

 

これが竜返しの滝。小さいのに水量はなかなかのものです。

 

そして宿に戻り、いよいよお楽しみのディナー。信州牛をメインにした創作和食です。夏野菜もふんだんに使っており、おいしくて健康的な料理となっていました。

 

とにかく、いるだけでワクワク感があり遊び心をくすぐる宿でした。季節を変えてまた訪れたい宿の一つになりました。

[SK009:相続]遺留分減殺請求と民法964条

ある人の遺留分が侵害されている内容の遺言書で遺贈があった場合でも、遺言書の通りに財産は振り分けられます。自分の遺留分を侵害された人は、遺留分の侵害を知った時から一年以内に「取り戻す」ことを請求(「遺留分減殺請求」という)することで、遺留分を取り戻すことができます。

さて先日、「遺留分を侵害している遺言書はそもそも民法964条により無効なのではないのか」とのご質問を受けることがありました。これは遺贈を定めた同条条文の但し書きにある「~ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。」の記述の解釈に関するご質問でした。

実はこの但し書きがまさに「遺留分減殺請求」を認めている部分となります。なので遺言書自体の有効無効を示したものではありません。実務上でも、遺留分を侵害している遺言書を添付して所有権移転登記の申請をしたとしても問題なく受理されます。

[SK008:相続]遺留分の割合

遺留分は「被相続人の財産の二分の一(直系尊属のみが相続人の場合は三分の一)を法定相続分で配分したもの」です。少し細かいですが、遺留分を計算する際の「被相続人の財産」には原則として「生前贈与」などの「特別受益」も含めます。そして主張できる相続人は「配偶者(夫や妻)」「子(代襲者も含む)」「直系尊属(親など)」だけであり、「兄弟姉妹」には遺留分がありません。

これを相続人の組み合わせ別でみると、

・配偶者のみ ・・・遺留分は[1/2]

・子のみ   ・・・遺留分は[1/2]

・配偶者と子 ・・・遺留分は[1/4](配偶者)、 [1/4](子)

・配偶者と兄 ・・・遺留分は[1/2](配偶者のみ)

・配偶者と父親・・・遺留分は[1/3](配偶者)、 [1/6](父親)

と、なります。

[SK007:相続]遺留分制度の概要

相続人となるべき人は法律で明確に定められていますが、「遺言」を残すことによって相続人以外の人にも財産を与えることができます。さらに遺言で残す財産の範囲も本人の自由となっています。

すると相続人のうちの誰かだけをえこひいきしたり、極論すれば相続人でもない他人(例えば愛人や知人など)に全財産を与えてしまうような事も起こりえることになります。しかしそれでは残りの相続人、例えば「残された家族」がお金に困り路頭に迷うことにもなりかねません。

そこで民法ではもともとの相続人(一部例外あり)が、ある程度の相続分を取り戻すことができるような制度を用意しました。これを「遺留分」制度と呼びます。

[KQ007:建設業許可]建設業29業種

建設工事の種類は建設業法により定められています。平成30年8月時点では、2種類の「一式工事」と27種類の「専門工事」の計29種類が定められています。

<一式工事(2種類)>

土木一式工事 (土)
建築一式工事 (建)

 

<専門工事(27種類)>

大工工事 (大)
左官工事 (左)
とび・土工・コンクリート工事 (と)
石工事 (石)
屋根工事 (屋)
電気工事 (電)
管工事 (管)
タイル・れんが・ブロック工事 (タ)
鋼構造物工事 (鋼)
鉄筋工事 (筋)
舗装工事 (舗)
しゅんせつ工事 (しゅ)
板金工事 (板)
ガラス工事 (ガ)
塗装工事 (塗)
防水工事 (防)
内装仕上工事 (内)
機械器具設置工事 (機)
熱絶縁工事 (絶)
電気通信工事 (通)
造園工事 (園)
さく井工事 (井)
建具工事 (具)
水道施設工事 (水)
消防施設工事 (消)
清掃施設工事 (清)
解体工事(解) (※)

(※)「解体工事」は平成28年6月1日以降に追加された専門工事

 

一定規模以上の工事を請け負うためには、上記の工事の種類ごとに別々の許可が必要となります。例えば「石工事」と「タイル・れんが・ブロック工事」や、「電気工事」と「電気通信工事」などはそれぞれ似ているように感じるかもしれませんが別の業種です。請け負う工事の内容と必要となる許可の種類を間違えないように気を付けましょう。

また、お客様からよく「一式工事の許可だけ取れば、残りの専門工事の許可は取らなくても、すべての業種の工事を請け負うことができるんですよね?」と訊かれます。答えは「いいえ」です。一式工事は専門工事を内包しているわけではありません。一式工事の「一式」という言葉に惑わされないようにしましょう。

[SK006:相続]法定相続人以外への財産分与

民法で定められた相続人をざっくりと表現すると、「夫/妻」「子」「親」「兄弟姉妹」だけとなります。

ではそれ以外の人、例えば、よく働いてくれた家政婦や息子の嫁などに財産を残したい場合はどうすればよいのでしょうか。

それを実現する方法が「遺贈」です。遺贈とは遺言によって財産の承継者を指定することです。遺贈を受ける人を「受遺者」と呼び、受遺者は相続人であってもなくても別に構いません。

ところで、遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」があります。

 

「特定遺贈」

・特定の「財産」を指定して遺贈する

・債務は継承しない

・いつでも放棄できる

 

「包括遺贈」

・全体に対する「割合」を指定して遺贈する

・遺贈を受けた割合に応じた債務も継承する

・遺贈があったことを知ったときから3カ月以内に限り放棄できる

 

上記のように同じ遺贈でも、特定遺贈のほうが受遺者にとってメリットがあります。さらに特定遺贈により財産の分与先を個人ごとに指定してあるほうが、実際の手続きもスムーズに運びます。

財産を遺す立場の人は、法定相続人以外の人を受遺者に指定したい場合はもちろん、そうではない場合でも、特定遺贈の遺言書で自分の考えを明確にしておくほうが、遺された家族にとってもありがたいこととなるでしょう。

[KQ006:建設業許可]一般許可と特定許可

建設業許可は、取り扱う工事規模と受注形態によって2種類に大別されます。

1.一般建設業許可

2.特定建設業許可

2.は「自社が元請け」かつ「1件あたり3000万円以上(建築一式の場合は4500万円以上)の下請け工事を発注する」場合にのみ必要な許可です。

当然ながら、2.は1.に比べて許可要件が厳しく申請手続きも煩雑で取得までの期間も長くなります。

特に必要がない限り、一般建設業許可を取得すれば十分だと思います。

[TS002:宅建試験]住所変更

宅地建物取引士の住所変更に関する問題です。これから2問出題します。それぞれの違いがわかりますか。

 

例題1.宅建過去問 H20 問33 選択肢3

次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

甲県知事から宅地建物取引士証(以下この問において「宅建士証」という。)の交付を受けている宅地建物取引士は、その住所を変更したときは、遅滞なく、変更の登録の申請をするとともに、宅建士証の書換え交付の申請を甲県知事に対してしなければならない。

答え:正しい。

 

例題2.宅建過去問 H23 問29 選択肢3

宅地建物取引士の登録に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

宅地建物取引業者(甲県知事免許)に勤務する宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に住所を変更するとともに宅地建物取引業者(乙県知事免許)に勤務先を変更した場合は、乙県知事に登録の移転の申請をしなければならない。

答え:誤り。(「登録の移転の申請をしなければならない。」→「登録の移転の申請をすることができる。」)

 

宅地建物取引士の住所変更関連では、

住所変更・・・「変更の登録の申請」をしなくてはならない(義務)

他県への勤務先変更・・・「登録の移転の申請」をしてもよい(任意)

の違いを押さえておきましょう。