[SK025:相続]遺言書の有無

遺言書の有無を確認する際には、ひとつ注意点があります。それは『遺産分割が終わる前に確認しておく』ということです。というのは、遺産分割が終わってから遺言書が見つかってしまうと、最初からやり直しになってしまうからです。

初七日法要までは対外的に緊張する行事が続き、心身ともに大変ですが、それを過ぎれば自分の時間を持つことができるようになります。一段落つきましたら、はやめに遺品整理を始めつつ、遺言書の有無も確認しておきましょう。

[SK024:相続]葬儀後の金融機関・公共料金の手続き

金融機関は口座名義人の死亡の事実を知ると、その預金口座の取引を停止してしまいます。こうなると相続手続きが完了するまでは家族や相続人でも引き出すことができません。残された家族は、葬儀代金の支払いはもちろん、今後の生活資金も必要となります。金融機関に死亡の事実を伝える前にあらかじめ準備をしておくようにしてください。

また、葬儀後は公共料金の停止も忘れずに行うようにします。

<主な公共料金>
電気・ガス・水道・電話・携帯・新聞・クレジットカード・NHK
(特にNHKは要注意)

なお葬儀費用は相続税の控除対象にできます。葬儀代だけでなくお布施や飲食費などもすべて証拠を残して記録するようにしましょう。

[SK023:相続](7日以内)死亡届

身内が亡くなったときに最初にしなくてはならないのは死亡届です。これは死亡後7日以内に届け出なくてはなりません。とはいえ、実際には葬儀社を手配するとすぐに手続きが始まります。

死亡届の右側は死亡診断書になっています。遺族は、亡くなった病院の医師からもらった死亡診断書を、死亡届に転記します。

届出先は、死亡者本人の死亡地または本籍地もしくは届出人の住所地のいずれかの市町村長役場です。届出人は親族ですが、役所への提出は葬儀社が代行してくれることが多いようです。

死亡届の提出の際に、埋火葬許可の申請も行い、火葬許可証を受け取ります。火葬許可証は火葬の際はもちろん、納骨時にも必要となります。火葬が終わっても火葬許可証は捨てないようにしてください。

[SK021:相続]相続税と贈与税のこれから

今年の10月17日に政府税制調査会が開かれ、相続税と贈与税の見直しが検討される運びとなりました。

現状では『贈与税より相続税の方が軽い』ため、高齢の親が若い子育て世代の子や孫に生前贈与で助けたくても、相続税より多くの税金を納めなくてはなりません。そのため生前贈与に二の足を踏んで、結局亡くなるまで財産を抱えてしまう国民が少なからずいるという状態が続いています。

相続税は『基礎控除』呼ばれる非課税枠が定められており、現在の基礎控除は『3千万円+法定相続人の人数×600万円』です。その枠を超えると10%~55%の累進課税が課されます。しかしこのような課税対象となるほどの多くの遺産を残して亡くなるという方は全体の8%しかいません。ほとんどの国民の相続税は非課税枠に収まっています。

他方、生前贈与の基礎控除は『年間110万円』しかありません。累進課税率も上限こそ相続税と同じ55%ですが上昇カーブが急なので、実際に収める税負担はやはり相続税より重くなっています。

少子高齢化が喫緊の課題である我が国では、生前贈与を促進するための対策が急務です。今後数年間の内に贈与税と相続税の制度も変わっていくと思われます。

[SK020:相続]相続対策の考え方

相続は一生に何度もあるものではありません。しかし、実際に相続が発生してしまうと多くの関係者に多大な影響を及ぼします。そこで、時間に余裕があるうちにあらかじめご自分の相続対策を検討して、一冊のノートを用意してまとめておきましょう。

では実際に何から考えればよいのでしょうか。

相続対策には大きく2つのポイントがあります。それは、「遺産分割対策」と「納税対策」です。

まず「遺産分割対策」とは、自分の財産の中身を整理してまとめ、何を誰に渡すのかを細かく決めておくことです。遺産争いはお金持ちに限らずどんな家庭にでも起こりえます。相続人がひとりやふたりであればあまり問題はないのかもしれませんが、相続人が増えてくるとそうはいきません。家族や親戚を無用なトラブルに巻き込まないよう、しっかりと準備をしておきましょう。

次に「納税対策」も重要です。相続にかかる税金は一般的に高額です。法律に基づいた節税対策が絶対に必要です。もし不要な税金まで支払ってしまうと、本来家族に遺せるはずだった生活資金が減少してしまうからです。また、相続財産が住宅や土地などの不動産ばかりで現預金がちょっとしかないような場合は危険です。納税資金が不足してしまい、遺された家族が資金繰りに窮してしまいます。ですから財産の総額だけでなくその内訳も大切です。相続した家族が安心して相続税を納められるように、責任を持って納税資金も準備しておいてあげましょう。

[SK019:相続]相続欠格と廃除

相続人の意思で行う相続には、通常の相続である「単純承認」、相続財産を放棄する「相続放棄」、相続する財産を限定して承認する「限定承認」の3種類があります。

逆に相続人の意思が絡まない相続としては、ある事由が発生しただけで相続人が相続権を失う「相続欠格」、被相続人の意思によって相続人の相続権を奪ってしまう「相続人の廃除」の2種類があります。

遺言書を偽造・変造したり、詐欺や強迫によって遺言書を書かせたり、遺産目当てで殺人を犯したりした相続人は「相続欠格」に該当し、当然に相続権を失います。この場合、相続はもちろん、遺贈を受けることもできなくなります。

また、(欠格事由には当てはまらないものの)被相続人が相続人から虐待、侮辱、著しい非行を受けた場合、被相続人はその相続人に自分の財産を一切渡さないようにする「相続人の廃除」を行うことができます。この廃除が成立すれば遺留分ですら渡す必要がなくなります。

ただ実際にこの相続人の廃除という制度を用いるのは結構ハードルが高く、相当ひどい目にあっていたのに家庭裁判所では認めてもらえなかったということもあるようです。また、廃除が確定したとしてもいつでも取り下げが可能です。相続人の廃除はできる限り行うべきではない、という考えが根底にあるのでしょう。

なお、「廃除」という文字を「排除」と書き間違える方がいらっしゃいます。行政書士試験の記述式問題では特に注意するようにしましょう。

[SK018:相続]限定承認

相続には2種類の方法があります。そのうちのひとつが「限定承認」です。

限定承認とは、通常の相続(単純承認)のようにすべての財産をひとまとめに受け継ぐものではなく、相続財産の範囲内でのみ債務を弁済する相続方法です。

これだけでは分かりにくいかと思いますのでもう少し説明をします。相続には預金や土地などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナス財産もあります。通常の相続ではこれらプラスの財産もマイナスの財産も相続人が引き受けることになります。しかし、故人の財産にマイナスの財産がどれくらい含まれているかというのは、以外と相続した人にもわからないことがあります。多額の借金をしていたにもかかわらず、故人がこのことを家族にも話していなかったというのはよくある話です。

こんなときに限定承認を選択すれば、相続財産の範囲内でのみ借金を弁済すればいいことになります。たとえば借金が1億円あっても、相続財産が100万円分しかなければ100万円だけ返済すればいいのです。これが単純承認の場合、相続人は自分がもともと持っていた固有財産を使ってでも一億円全てを返済しなければなりません。このように「限定承認には相続人の固有財産が守られる」という大きなメリットがあります。

このように限定承認は相続人に大変有利な制度です。手続きや概念がややこしいので敬遠されがちですが、いちど検討されてみてはいかがですか。

[SK017:相続]単純承認

相続には2種類の方法があります。そのうちのひとつが「単純承認」です。

単純承認とはいわゆる通常の相続です。亡くなられた人の財産を丸ごと相続した人たちが受け継ぎます。

ここで注意しなければいけないのが、受け継ぐ財産というのは必ずしもプラスの財産ばかりではないという点です。たとえば亡くなった方が借金をかかえていた場合、そのマイナスの財産も相続人は受け継ぐことになります。

言い換えると、プラスの財産とは「権利」、マイナスの財産とは「義務」ということになります。これらをまとめて引き継ぐのが単純承認による相続です。

自分が相続人になったことを知った時から3カ月以内の期間を「熟慮期間」と言います。何もせずに熟慮期間を過ぎると自動的に単純承認したことになります。

この単純承認についてはよく生じるトラブルがあります。それは、上記の熟慮期間中に相続財産を売却、消費、贈与などの処分をしてしまった場合です。

この場合、たとえ一部の財産を処分しただけであったとしても単純承認したとみなされてしまい、相続放棄ができなくなってしまいます。つまり、このあと仮に相続財産に多額の借金が見つかったとしてももはや相続放棄できないのです。

熟慮期間中の財産の処分については十分注意しましょう。

[SK016:相続]後見制度

「後見制度」という言葉をご存知でしょうか。人はいつ何時、認知症や事故などによって物事を理解したり判断したりすることができなくなってしまうか分かりません。後見制度とはそんな時にその人をサポートする者を選任できる制度です。

後見制度は2種類あります。ひとつは民法に規定がある「法定後見制度」です。これは、認知症などにより事理を弁識する能力を欠く常況にある人について、ご家族の申し出により家庭裁判所が最適と判断したサポート者を選任する制度です。

もう一つの制度は「任意後見制度」です。これは本人が正常な判断能力を有しているうちに、将来自分が認知症になったときにサポートしてくれるように、自分であらかじめ信頼のおける人と契約を結んでおくものです。

「法定後見制度」は本人が認知症になった「後」の制度であり、「任意後見制度」は本人が認知症になる「前」の制度と考えると記憶に残りやすいかと思います。

[SK015:相続]高齢化社会と後見制度

総務省の発表によると、昨日(2018年9月17日)の「敬老の日」時点で、日本の総人口に占める70歳以上の割合が前年より0・8ポイント高い20・7%と過去最高となり、初めて2割を超えたとのことです。これは人数で言うと、前年より100万人増の2618万人となります。

現在でも既に世界一の高齢化社会を迎えている日本ですが、これからの20年でさらに高齢化が加速します。行政もこの急速な世の中の変化に危機感を募らせており、様々な対策を打ち出してはいるものの、充分な対応が困難な状況にあるということは、年金の話ひとつをとってみても明らかでしょう。

この超高齢化社会の時代に、ご自分の老後を行政にまかせっきりでは、あまりにリスクが大きすぎます。時間のあるうちに少しずつ老後の設計をして、自分の身は自分で守るべきだと思います。

とはいえ「何をどこに相談して老後の設計をすればいいのか分からない。」という方がほとんどだと思います。特に身寄りのない方の場合、「万一、自分が介護を要する状況になったりしたら誰を頼ればいいのだろう」と、より不安を感じるかと思います。

また最近ではご両親が元気なうちにご両親の老後の準備をしていきたいというご家族の方たちも増えてきているように思います。

そんなご相談を受けると、私の行政書士事務所では「後見制度」のご説明をさせていただいています。

後見制度は最近お客様も関心が高い業務です。とはいえまだまだ身近な制度というわけではないので、実際の制度までを把握されているお客様はほとんどいらっしゃいません。実際、後見制度はお客様ごとに内容が異なります。

後見人は「判断力が著しく低下した人の生活上の判断をサポートする人」なので、いわゆる介護者とは概念が異なりますのでご注意ください。