[SK006:相続]法定相続人以外への財産分与

民法で定められた相続人をざっくりと表現すると、「夫/妻」「子」「親」「兄弟姉妹」だけとなります。

ではそれ以外の人、例えば、よく働いてくれた家政婦や息子の嫁などに財産を残したい場合はどうすればよいのでしょうか。

それを実現する方法が「遺贈」です。遺贈とは遺言によって財産の承継者を指定することです。遺贈を受ける人を「受遺者」と呼び、受遺者は相続人であってもなくても別に構いません。

ところで、遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」があります。

 

「特定遺贈」

・特定の「財産」を指定して遺贈する

・債務は継承しない

・いつでも放棄できる

 

「包括遺贈」

・全体に対する「割合」を指定して遺贈する

・遺贈を受けた割合に応じた債務も継承する

・遺贈があったことを知ったときから3カ月以内に限り放棄できる

 

上記のように同じ遺贈でも、特定遺贈のほうが受遺者にとってメリットがあります。さらに特定遺贈により財産の分与先を個人ごとに指定してあるほうが、実際の手続きもスムーズに運びます。

財産を遺す立場の人は、法定相続人以外の人を受遺者に指定したい場合はもちろん、そうではない場合でも、特定遺贈の遺言書で自分の考えを明確にしておくほうが、遺された家族にとってもありがたいこととなるでしょう。

[KQ006:建設業許可]一般許可と特定許可

建設業許可は、取り扱う工事規模と受注形態によって2種類に大別されます。

1.一般建設業許可

2.特定建設業許可

2.は「自社が元請け」かつ「1件あたり3000万円以上(建築一式の場合は4500万円以上)の下請け工事を発注する」場合にのみ必要な許可です。

当然ながら、2.は1.に比べて許可要件が厳しく申請手続きも煩雑で取得までの期間も長くなります。

特に必要がない限り、一般建設業許可を取得すれば十分だと思います。

[SK005:相続]法定相続分

遺産相続の割合は民法で規定されています。これを『法定相続分』といいます。相続人別の法定相続分は以下の通りです。

配偶者と子    ・・・ 配偶者[1/2]、子[1/2]

配偶者と直系尊属 ・・・ 配偶者[2/3]、直系尊属[1/3]

配偶者と兄弟姉妹 ・・・ 配偶者[3/4]、兄弟姉妹[1/4]

配偶者のみ    ・・・ 配偶者[全部]

血族相続人のみ  ・・・ 順位が最上位の血族相続人[全部]

同一順位の人達が複数いた場合は頭数で平等に割ります。例えば上記の『配偶者と兄弟姉妹』のケースで、兄弟姉妹が3人いる場合、配偶者は1/2のままで変わりませんが、3人の兄弟は1/4をさらに3等分した1/12をそれぞれが相続することになります。

お客様からよくご質問をいただくのが、上記の『血族相続人のみ』のケースです。例えば、配偶者がいなくて、子1人、親2人、兄弟3人がいる場合はどうなると思いますか。この場合、第1順位の子が全部の財産を相続します。子1人、親2人、兄弟3人の全員で山分けになるのではないので注意しましょう。

[SK004:相続]法定相続人

『法定相続人』とは、民法で定める相続人のことです。

相続人が複数いる場合、その優先順位は民法で規定されています。配偶者は常に相続人になります。配偶者以外については、優先順位の高い順に以下の通りとなります。

第1順位 ・・・子

第2順位 ・・・直系尊属(父母など)

第3順位 ・・・兄弟姉妹

上位の順位の者が一人もいない時に、はじめて下位の順位の者が相続人となります。例えば子が一人もいない場合に初めて父母が相続人になります。この場合、兄弟姉妹は相続人にはなりません。この順位の考え方は、お客様から度々ご質問を頂戴しています。おさらいをしておきましょう。

[KQ005:建設業許可]知事免許と大臣免許

建設業許可免許は許可を受ける主体の違いによって2種類に大別できます。

1.都道府県知事免許(知事免許)

2.国土交通大臣免許(大臣免許)

上記二つの免許に優劣はありません。許可内容に違いはありませんので、通常は知事免許を申請することになります。

ただし、建設業の営業所が複数あって、それらが複数の都道府県に点在している場合には大臣免許が必要となります。

そこで間違えやすいのは、『複数の営業所があるが、すべて同じ都道府県内に存在している場合』です。この場合は大臣免許ではなく、知事免許を申請します。

話は変わりますが、この考え方は宅建業免許にも通じています。宅建試験での頻出ポイントなので、受験される方はいちど確認しておきましょう。

[SK003:相続]代襲相続の範囲

元来、相続は「親から子へ」「子から孫へ」と直系の子孫に受け継がれるものである、という考え方が基本です。

そして代襲相続とは、本来であれば相続人となるべきだった者が死亡、欠格、排除により相続権を失い、代わりにその者を飛び越えて、子が相続することです。

代襲相続できる人とできない人の区別は少しややこしいので、簡単にまとめてみました。

 

[代襲相続できる人]

・被相続人の子の直系卑属(ちょっけいひぞく。下の世代の直系血族のこと。孫、ひ孫・・・)→何代でもOK

・被相続人の兄弟姉妹の子→一代限りOK(おい・めい)

・被相続人との養子縁組後に生まれた養子の子→直系卑属と認められるためOK

 

[代襲相続が認められていない人]

・配偶者の連れ子→直系卑属と認められないためNG

・養子縁組前からすでにいた子→直系卑属と認められないためNG

 

実務的には上記以外の点も確認が必要ですが、まずは基本的理解として上記を押さえておけばよろしいかと思います。

[SK002:相続]相続・遺贈・死贈与の違い

「相続」「遺贈」「死因贈与」。それぞれ一般的によく使われている言葉ですが、なんとなく似ている言葉なので、混同して用いられることもしばしば。そこで、今回はこれらの言葉の定義をまとめてみました。

 

[相続]

人の死亡を原因として、『当事者の意思によらず』に、財産が一定の親族に移転すること

 

[遺贈]

遺言という遺贈者の『一方的』な行為によって、財産を他人に無償で与えること

 

[死因贈与]

贈与者の死亡により効力を生ずる契約として、贈与者と受贈者『双方』の合意に基づいて、財産を相手方に無償で与えること

 

意味の似ている言葉を覚えるには、上記の『』書き部分のように、異なっている部分に着目すると記憶に残りやすいと思います。

[KQ004:建設業許可]建設業許可を受けるメリット

建設業許可のメリットは主に下記の二つです。

1.工事金額の制限がなくなる

例えば一件あたり500万円を超えるような大きな工事も請け負うことができるようになるので、仕事の幅が広がります。

 

2.社会的信用を得やすくなる

建設業許可を受けていると、「大きな工事も受けられるしっかりとした会社である」と、国や都道府県の行政庁からお墨付きをもらっていることになります。行政庁によるお墨付きは社会的信用に直結し、結果として企業価値を高めます。このため、元請け業者が下請け業者を選定するにあたり、建設業許可の有無を重視するケースも少なからず見受けられます。

[KQ003:建設業許可]許可がいらない工事について

いわゆる「軽微な工事」を請け負う場合には建設業許可は必要ありません。

軽微な工事とは、

・一件あたり500万円未満の工事

あるいは

・一件あたり1500万円未満の建築一式工事

を指します。

 

これは言い換えると、「ある程度大きな工事を請け負うのであれば、建設業許可が必要になる」という事になります。