[KE006:古物営業法]古物市場主と古物競りあっせん業者

『古物市場』とは古物の売買又は交換のための市場のことです。古物市場には古物商以外の者は参加ができません。この古物市場を経営する営業のことを『2号営業』と呼びます。いわば古物商専用のオークション会場のイメージです。なお、2号営業の呼び名は『古物営業法第2条第2項第2号』が由来となっています。

この古物市場の営業を行うためには公安委員会から許可を得ておく必要があります。この許可を受けて『古物市場主許可証』を交付された者のことを『古物市場主』と呼びます。

また、古物の売買を希望する者のあっせんをインターネット上のオークションサイトで行なう営業のことを『古物競りあっせん業』と呼び、2号営業と区別されています。そしてこの古物競りあっせん業を営む者を『古物競りあっせん業者』と呼びます。

古物競りあっせん業者となるためには古物市場主と同様に公安委員会の許可が必要です。ただし、自らはオークション場所を提供するだけで、売買には関与しないため、古物商の許可は不要となります。

[SK051:相続]『現物分割』による遺産分割

公平な遺産分割を行うためにはいくつかの方法があります。『現物分割』もそのうちの一つです。

現物分割とは、『個々の財産をそのまま各相続人に分配する』遺産分割のことです。最も原則的な方法であり、各財産を各人に振り分けるだけなので一番イメージが湧きやすい方法でしょう。例えば「家は妻に、銀行預金は長男に、車は次男に、絵画は長女に…」のような感じです。

ただ現実としては、この方法だけで相続人全員が納得できる公平な遺産分割ができることはまれであり、その他の方法も組み合わせることになるのが通例です。

[KE005:古物営業法]古物営業『1号営業』

『古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業』のことを『1号営業』と呼びます。(余談ですが、”1号”とは『古物営業法第2条第2項第1号』に由来します。)街中にある個人経営のリサイクルショップのイメージと言えば分かりやすいでしょうか。

条文にあるように、自分で古物を買い取ってそれを売却する場合だけでなく、委託者から古物を受け取って自分の店先に並べて販売する場合も1号営業に該当し、許可が必要となります。しかし古物の売り手に買い手を紹介するだけであれば該当せず、許可がいりません。これは委託ではなく『あっせん』だからです。

さらに次のような営業形態も1号営業から除外となるため、許可がいりません。

①第三者から古物の買い取りを行わず、もっぱら古物の売却だけを行う営業形態

②自分が過去に売却した物品を、当該相手方から買い戻すだけの営業形態

[KE004:古物営業法]古物の『区分』

古物は美術品や書籍などの品目ごとに13の区分に分類されており、営業所ごとに取り扱う区分を定めて許可申請書を提出します。

■古物の区分

1号 美術品類(書画、彫刻、工芸品等)

2号 衣類(和服、洋服等)

3号 時計・宝飾品類(時計、宝石、眼鏡等)

4号 自動車(自動車、カーステレオ、タイヤ等)

5号 自動二輪及び原動機付自転車(バイク、バイク部品等)

6号 自転車類(自転車、自転車部品等)

7号 写真機類(カメラ、光学器等)

8号 事務機器類(レジ、FAX、PC等)

9号 機械工具類(工作機械、工具、ゲーム機等)

10号 道具類(家具、PCソフト、CD、おもちゃ等)

11号 皮革・ゴム製品類(カバン、靴等)

12号 書籍(古書等)

13号 金券類(ビール券、野球場入場券等)

『古銭、地金類は古物に該当しないものと解する』こととなっておりますので、上記区分には含まれていません。

さて、許可申請書には『主として取り扱おうとする古物の区分』という欄があり、そこで取扱品目に応じた区分を選択することになります。

申請書の書式としては13区分すべてを選択することもできないわけではないのですが、これはやめておいた方がいいでしょう。まず最初は必ず取り扱う品目だけに絞って申請することをお勧めします。現実問題として、区分選択を増やすほど審査も厳しくなり、許可が降りにくくなってしまいます。それにもし営業開始後に取扱う品目に追加や変更が生じたとしても、変更の届出を行えばいいので問題ありません。

[SK050:相続]遺産分割の4つの方法

遺産分割においては、分割しやすい財産も有れば、分割が難しい財産も有ります。

たとえば現金。これは複数の相続人で分割することが容易な財産といえるでしょう。

では自宅の土地や建物、あるいは事業資産ではどうでしょう。これらは説明するまでもなく簡単には分割できそうにないことは想像に難くありません。

財産を公平に分けるために、遺産分割にはおもに4つの方法があります。それが、「現物分割」、「換価分割」、「代償分割」、「共有分割」と呼ばれるものです。

[KE003:古物営業法]古物営業法における『物品』とは

古物営業法における『物品』には、『鑑賞的美術品』と『金券類』が含まれています。これらはリサイクルショップで取り扱うことができます。

上記うち金券類はさらに『法定金券類』と『政令金券類』に分かれています。

法定金券類とは、商品券、乗車券、郵便切手を指します。

政令金券類とは、航空券、興行場等の入場券、収入印紙、オレンジカード等、テレホンカード、タクシークーポン等、高速道路の回数券等と多岐に渡ります。

また物品には大型機械類も含まれています。ただし以下のように除かれているものもあるので注意しましょう。

物品から除かれる大型機械類には、(20トン以上の)船舶、航空機、鉄道車両、重量が1トンを超える機械で土地又は建物にコンクリートや溶接等で固定し簡単に取り外しができないもの、重量が5トンを超える機械であって自走も牽引もできないもの、があります。

これらは盗品として売買される可能性が低いため物品から除かれています。

[SK049:相続]遺産分割協議の前提

遺産分割協議を行うための前提には二つあります。

ひとつめは『相続人をもれなく確定すること』です。

遺産分割協議には相続人『全員』が参加しなくてはなりません。相続人と言えば配偶者や子などがまず思い浮かびますが、他にも様々な相続人がいることがあります。例えば包括受遺者(財産を特定せずに包括的に遺贈を受けた人)は相続人に含まれますし、相続人に未成年者がいる場合には特別代理人も選任しなければなりません。このように『全員』と一言で言っても環境の違いによって様々なケースがあります。なお全員参加といっても、全員が一堂に会する必要はありません。電話連絡などでも大丈夫です。

ふたつめは『相続財産の範囲と評価額を確定すること』です。

全ての相続財産について評価額が必要です。評価方法に決まりはありません。各自、客観的な資料などを持ち寄ることで最終的な評価額を決定することになります。とにかくまずは全員で協力してすべての相続財産をテーブルの上に載せてから協議を始めましょう、というイメージです。

協議が整いましたら遺産分割協議書を作成することになります。

[KE002:古物営業法]古物とは昔の壺のこと?

『古物(こぶつ)』というと、なにやら昔からの古い壺や掛け軸などをイメージするかもしれません。しかし、古物営業法で定められている古物とはそれだけでないのです。

<古物とは>
① 一度使用された物品
② 使用されない物品で、使用のために取引されたもの
③ ①や②に幾分の手入れをしたもの

このため、古物には一般の流通過程(メーカー→問屋→小売店)にあるものは含まれません。一度誰かユーザーの手に渡ったものだけが対象となります。

①はいわゆる中古品です。ただし故障していたりしてその物本来の用途・目的に従って使用できないものは古物ではありません(撮影できないカメラなど)。古物とガラクタ・廃品との違いはここにあります。

②は未使用品ではあるものの、もともと自分で使うために購入したもののことです(一度も着なかった洋服など)。この場合は古物といえど新品同様のものが多く含まれていることになります。

③は①や②を修理したり少し加工したりしたものです(油をさしたりシールでデコレートした時計など)。ただし、手入れによってその物本来の用途・目的に変更を加えてしまった場合には、もはや「幾分の手入れ」とは言えなくなってしまいます。

[SK048:相続]遺産分割協議の概要

相続人が複数人いる場合、一部の相続人だけで勝手に遺産を分けてはいけません。相続分に応じて各相続人に遺産が分配されなくてはなりません。このことを『遺産の分割』と言います。

遺産の分割にあたっては、遺言書があって誰に何を相続させるかが明確に書かれていればそれに従うだけで済みます。しかし遺言書自体がなかったり、遺言書はあるものの具体的に何を相続すればいいのかがよく分からない場合もあります(「私の財産は家族全員で均等に分けなさい」のような遺言書)。

このような場合には、相続人全員が話し合うことによって分配する財産を決定することになります。この話し合いが「遺産分割協議」です。

[KE001:古物営業法]古物営業法の目的

『古物営業法』(一般的には『古物法』と略される)の第1条に、この法律の目的が示されています。

第1条 この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。

古物の売買では新品のそれに比べ、より盗品等の犯罪被害品が混入してしまう可能性が高いと考えられます。そこで古物営業を営む者の義務を法令化したものが古物営業法です。

古物営業を営む人々がこの法律に示されている各種義務を果たすことで、犯罪被害品の流通を防止したり、被害の迅速な回復ができるような社会を形成していくことが、古物営業法の全体の目的となります。