[TS005:宅建試験]媒介契約

宅建業法にはいわゆる「三大書面」と呼ばれるものが規定されています。

★三大書面

・媒介契約書(34条)

・重要事項説明書(35条)

・契約書(37条)

 

このうちの「媒介契約」についてはお客様への拘束の度合いによって次の3つの形態に分類されます。「→」は暗記ポイントです。

★媒介契約の形態

・一般媒介

→重ねて依頼、自己発見

・専任媒介

→      自己発見、3カ月、2週間、レインズ、7日、遅滞なく

・専属専任媒介

→           3カ月、1週間、レインズ、5日、遅滞なく

 

次に媒介契約書への記載事項です。ここでは覚えにくいものだけを列挙します。

★媒介契約書の記載事項(抜粋)

・評価額(意見は口頭でもよい)

・解除

・報酬

[SK014:相続]特別受益の持戻しの免除

例えば親が自分の息子のうちのひとりに独立開業資金を援助して応援したとします。この後もし親が亡くなった場合には、この開業資金は「生前贈与」として扱われます。

生前贈与には「持戻し(もちもどし)」という制度があります。これは遺産分割の計算時に、計算のベースとなる故人の財産に生前贈与を足す(戻す)ことを意味します。

しかし、親としては独立開業資金を提供するのは、その息子への特別な思いから応援するためであり、全体の相続とは切り離して欲しいと考えたとしましょう。さて、それを実現する方法はあるのでしょうか。

答えは「あります」。やり方は簡単。「生前贈与した息子の独立開業資金は遺産分割の対象となる相続財産とは無関係にすること」を「遺言」に意思として残せばいいのです。これを「特別受益の持戻しの免除」と言います。

[SK012:相続]特別受益がある場合の相続計算

特別受益を受けた人は故人の財産の一部を既にもらっていることになります。ですからその特別受益分だけその人の相続分が少なくなるように相続計算をします。

 

★特別受益がある場合の各人の相続計算式

(「相続開始時の故人の財産」+相続人全員の「生前贈与」)×法定相続割合-自分の「特別受益」

 

さて、上記の計算式には「遺贈」が書かれていませんが、これはどういうことなのかわかりますか。

そうです。遺贈は「相続開始時の故人の財産」に含まれているから書かれていないのです。ここが生前贈与と遺贈の扱いの違いです。

生前贈与は持戻し(もちもどし)として最初に足しますが、遺贈は最初に足しません。なお、式の最後で引いている「特別受益」にはもちろん「生前贈与」も「遺贈」も該当します。

 

★計算のポイント

・「生前贈与」は、最初に足して、最後で引く

・「遺贈」は、最初になにもせず、最後で引く

 

特別受益がある場合の相続計算は、過去の行政書士試験でも出題されたことがあります。受験される方は上記のポイントをチェックしておきましょう。

[SK011:相続]生前贈与と特別受益

生前贈与とは、言ってみれば「遺産の前渡し」です。ですからこれを無視して単純に法定相続の割合に応じて遺産分けを行ってしまうと、結果として不公平な相続となってしまいます。

そこで生前贈与は「遺贈」と同じく、「遺産分割前に故人から特別にもらった財産」すなわち「特別受益」として扱うこととし、相続計算時にそれを考慮します。

 

★特別受益にあたるもの

・生前贈与

・遺贈

[SK010:相続]生前贈与

相続は法定相続の割合に応じて行われるのが原則です。しかし現実として、親は自分が亡くなる前に、息子のうちのひとりにだけ住宅購入資金の一部を援助したり、娘のうちのひとりにだけ結婚する際の持参金を渡すようなケースが往々にしてあります。これらのケースを「生前贈与」と呼びます。

生前贈与は「婚姻や養子縁組のためもしくは生計の資本としての贈与」を指します。例えば生前贈与にあたる行為とあたらない行為は以下の通りです。

★生前贈与にあたるもの

マイホーム購入資金、開業資金、農家での農地、結婚の持参金

 

★生前贈与にあたらないもの

日々の生活費、学費、遊興費(競馬・パチンコ代)

 

上記で生前贈与にあたるとされているケースでも金額があまり高額でなかった時には、特別受益にあたらないと判断されることがあります。また、その逆のケースもあります。結局、実務上では金額が高額であるかどうかが最初のチェックポイントになっている場合があるというわけです。

[TS004:宅建試験]建築基準法の建築確認

宅建試験では建築基準法から毎年2問の出題があります。建築基準法は「単体規定」「集団規定」「建築確認」に分かれています。ただし単体規定は細かい割に出題されないことがちらほら。ですから基本だけを押さえて後回しにしましょう。まずは建築確認から。

建築確認は単体規定や集団規定が実際に守られるように設けられた手続きのことです。これはすべての建築物に必要な手続きかというとそうではなく、例えばちっぽけな建物などは建築確認がいりません。試験ではこの建築確認が必要かどうかについて事例を挙げて質問してきます。その判断に必要な暗記ポイントは以下のとおりです。

 

★一定の特殊建築物

全国どこでも

用途に供する面積100㎡超

ホテル・映画館・自動車車庫…

新築・10㎡超増改築・移転・大規模修繕・大規模模様替え・用途変更

 

★大規模建築物

全国どこでも

木造3階以上・延べ面積500㎡超・高さ13m超・軒9m超

コンクリート2階以上・200㎡超

新築・10㎡超増改築・移転・大規模修繕・大規模模様替え(用途変更は確認不要)

 

★上記以外の(特殊でも大規模でもない)建築物

都市計画区域内等のみ

新築・10㎡超増改築・移転

防火地域・準防火地域の増改築は10㎡以下もすべて実施

[TS003:宅建試験]平成30年度宅建試験の法改正情報

早いもので平成30年度宅建試験日まであとひと月ちょっととなりました。そこで今年度の宅建試験に関連する法改正の要点を箇条書きにしておきました。

 

①低廉な空き家等の売買又は交換の媒介に関する報酬改正

・400万円以下の土地建物

・報酬額18万円(税込み 194,400円)

・売主側のみ

・契約時の合意

 

 

②IT重説

・貸借のみ

 

 

③インスペクション

・媒介契約書面

→あっせん

 

・35条書面

→建物状況調査(~1年)の有無と結果

→ 設計図書、点検記録その他書類の保存の状況(×貸借)

 

・37条書面

→建物の構造耐力上主要な部分等の状況(×貸借)

 

 

④田園住居地域

・農業の利便の増進

・第一種・第二種低層住居専用地域+産直・飲食店

[SK009:相続]遺留分減殺請求と民法964条

ある人の遺留分が侵害されている内容の遺言書で遺贈があった場合でも、遺言書の通りに財産は振り分けられます。自分の遺留分を侵害された人は、遺留分の侵害を知った時から一年以内に「取り戻す」ことを請求(「遺留分減殺請求」という)することで、遺留分を取り戻すことができます。

さて先日、「遺留分を侵害している遺言書はそもそも民法964条により無効なのではないのか」とのご質問を受けることがありました。これは遺贈を定めた同条条文の但し書きにある「~ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。」の記述の解釈に関するご質問でした。

実はこの但し書きがまさに「遺留分減殺請求」を認めている部分となります。なので遺言書自体の有効無効を示したものではありません。実務上でも、遺留分を侵害している遺言書を添付して所有権移転登記の申請をしたとしても問題なく受理されます。

[SK008:相続]遺留分の割合

遺留分は「被相続人の財産の二分の一(直系尊属のみが相続人の場合は三分の一)を法定相続分で配分したもの」です。少し細かいですが、遺留分を計算する際の「被相続人の財産」には原則として「生前贈与」などの「特別受益」も含めます。そして主張できる相続人は「配偶者(夫や妻)」「子(代襲者も含む)」「直系尊属(親など)」だけであり、「兄弟姉妹」には遺留分がありません。

これを相続人の組み合わせ別でみると、

・配偶者のみ ・・・遺留分は[1/2]

・子のみ   ・・・遺留分は[1/2]

・配偶者と子 ・・・遺留分は[1/4](配偶者)、 [1/4](子)

・配偶者と兄 ・・・遺留分は[1/2](配偶者のみ)

・配偶者と父親・・・遺留分は[1/3](配偶者)、 [1/6](父親)

と、なります。

[SK007:相続]遺留分制度の概要

相続人となるべき人は法律で明確に定められていますが、「遺言」を残すことによって相続人以外の人にも財産を与えることができます。さらに遺言で残す財産の範囲も本人の自由となっています。

すると相続人のうちの誰かだけをえこひいきしたり、極論すれば相続人でもない他人(例えば愛人や知人など)に全財産を与えてしまうような事も起こりえることになります。しかしそれでは残りの相続人、例えば「残された家族」がお金に困り路頭に迷うことにもなりかねません。

そこで民法ではもともとの相続人(一部例外あり)が、ある程度の相続分を取り戻すことができるような制度を用意しました。これを「遺留分」制度と呼びます。