[SK031:相続]配偶者への自宅の贈与・遺贈が変わります(用語の説明)

この度の民法改正により、2019年7月1日からは配偶者への自宅の贈与・遺贈が特別受益の持戻しの対象外になりました。

そこで今回は解りにくそうな用語のご説明をします。

まずは『贈与』と『遺贈』です。例えば夫が亡くなった夫婦の場合、贈与とは、夫が『生前に』財産を妻に与えることです。一般的に『生前贈与』と呼ばれているのはそのためです。他方、遺贈とは夫が『死後に』遺言によって財産を妻に与えることです。

次に『特別受益の持戻し』です。遺贈や贈与をすると遺産から外れてしまうと考えがちですが少し違います。たしかに、相続人でない第三者への遺贈や贈与は遺産から外れます。しかし今回のように夫から妻への贈与や遺贈は、相続人への遺産の前渡しによる『特別受益』として扱われます。

特別受益は遺産分割の計算をする際に一旦、相続財産に戻してから計算することになっています。これを『特別受益の持戻し』と言います。

[GH004:行政書士業務]上大岡の行政書士無料相談会

私が所属している神奈川県行政書士会の南・港南支部では、先日2月23日の土曜日に、上大岡で無料相談会を開催しました。

神奈川県行政書士会 南・港南支部の無料相談会の目印となるバナースタンド

場所は京急上大岡駅すぐ近くのウィング上大岡の3階です。京急線の改札口が近く、人通りが多い場所でした。

おかげさまで、11時の開始から大勢のお客様にお越しいただくことができました。ありがとうございました。私も相談員のひとりとしてたくさんのお客様からのご相談をお受けさせていただきました。

相談会場の全景。やや手作り感が漂っているのはご愛敬(!?)

参考までに、私がお受けしたご相談をいくつかご紹介します。(行政書士には守秘義務があります。お名前やご住所などを一切お聞きしていない匿名のご質問を選び、その概要のみを掲載しています。)

・「夫婦ふたり暮らしで住んでいる今の自宅を壊して新たに家を建て直そうとしたら、実はその家は父親と伯父と自分との3人の共有財産だったことが分かった。ずいぶん前に2人は他界しているのだが勝手に家を壊していいの?」

・「相続した財産を姉妹ふたりで分け合おうとして戸籍を調査したら、聞いたことのない腹違いの姉がいたことが分かった。しかし本人と連絡が取れずどうすればいいのかわからない。」

・「息子のうち長男の方が認知症で入所してしまった。自分達夫婦も今後どうなるかわからず不安なので、次男に面倒をみてもらえるよう、後見人になってもらうにはどうしたらいいの?」

このように、かなり具体的なご相談をたくさんいただきました。短い時間の応対ではありましたが、帰り際におっしゃっていただけた「ありがとう!」の一言がとても嬉しく、「この仕事をやっていてよかった!」と改めて実感しました。

半年に一度、同様の無料相談会を開催しています。開催が近づきますと上大岡駅のバスターミナルにもポスターを貼りだします。ご興味のあるかたはぜひお気軽に無料相談にお越しください。次回もお待ちしております。

[PE008:Excel]別々のセルに保管した姓と名を結合する方法

A列に姓、B列に名が入っている名簿があるとします。そんな時、姓と名を結合してC列に書き込みたいと思ったことはありませんか。

名簿の人数が少なければ、手作業でコピーしたり入力したりしてもいいのですが、人数が100人、1000人となったらそうもいきません。

こんな時に便利な方法があります。それが『&(アンパサンド)』です。

例えばA1に「山田」、B1に「太郎」と入っていたとします。このときC1に「=A1&B1」と入力すると、A1とB1の内容が結合されて「山田太郎」と表示されます。

A1とB1の内容が結合されてC1に表示されている

この方法ですと、たとえ100人、1000人の名簿であっても大丈夫です。C1のセルの右下にある■をマウスでドラッグしてC2、C3…に連続入力するだけでC列が出来上がります。

マウスドラッグによるオートフィル機能でC列が連続入力されている

次は応用です。C1に「山田 太郎」のように姓と名の間に空白を挟んで結合するにはどうしたらよいでしょうか。答えですが、この場合、C1に「=A1&” ”&B1」と入力してください。「” ”」は空白を意味しています。

C1に「=A1&” ”&B1」と入力し、C2とC3に連続入力したところ

今回の技は簡単なうえに工夫次第でいろいろな場面で活躍してくれる便利な機能です。ぜひ使ってみてください。

[SK030:相続]配偶者居住権における修繕費と改築費

相続の新制度として2020年4月から始まる配偶者居住権。これは、相続対象の家を居住権と所有権とに分け、配偶者が居住権だけを相続できる制度です。この場合、家の所有権は別の共同相続人が相続します。居住権を持つ配偶者は所有権を持たずともこの家に住み続けることができます。(→[SK029:相続]配偶者居住権

さて、家に住み続けていると、様々な修繕・維持費がかかります。場合によってはリフォーム・改築などが行われることもあるでしょう。そこで問題となるのは、いったい誰がこれらの費用を負担することになるのかということです。

もし自分が所有する家に自分で住んでいるのであれば、家に関して自分が費用負担をすることに何の問題もありません。しかし今回は居住権と所有権が別の人のもとにあります。この場合の費用負担者は、以下のように考えることになっています。

<費用負担者>

●修繕・維持費    ⇒ 居住権を持つ者
●リフォーム・改築費 ⇒ 所有権を持つ者

なお、修繕・維持費とは屋根やトイレなど、もともと家として不可欠だったものが壊れてしまった時に、元の状態に戻す費用のことを指します。他方、リフォーム・改築費とは屋根にソーラーパネルを新設したりトイレをウォッシュレットに取り替えたりするといった、元の状態を超える価値を加える費用のことを指します。

[SK029:相続]配偶者居住権

このたび40年ぶりに民法が改正され、来年の2020年4月より『配偶者居住権』という相続制度が新たに開始されることになりました。

配偶者居住権は、遺産相続した配偶者の財産を保護する制度のひとつです。詳細は後述しますが、これまでの民法では例えば次のようなケースなどで問題が起こっていました。

例)夫が4000万円の家と2000万円の現預金からなる総額6000万円の財産を遺して死亡。夫には妻と子供が二人。妻は夫の家に同居。子供はふたりとも独立しており別居。遺言書は遺さなかった。

まずこのケースでは遺言書がないので民法で規定する法定相続分で遺産を分割します。法定相続分は妻と子供でそれぞれ半分ずつです。妻3000万円、子供3000万円(1500万円×2人)で相続します。

さて、妻は夫の死後もそのままその家に住み続けたいと思っていました。なのにここで子供達が自分達の法定相続分である3000万円を要求してきました。こうなってしまうと現預金は2000万円しかないので足りません。妻(すなわち子供達の母親)は仕方なく家を売って不足している1000万円を子供達に渡すはめになりました。このように相続によっては、妻は夫を亡くした上に住む家までも失くすという悲惨な事が実際に起こっていました。

そこで新設されたのが『配偶者居住権』です。これはまず相続財産の家を『居住権』と『所有権』の二つに分けます。居住権は住む権利、所有権は持つ権利です。そして例えば配偶者には居住権を、子供達には所有権を与えます。

こうすることで妻は家の所有権こそ失いますが、これまでと変わらず家に住み続けることができます。居住権は妻本人が亡くなるまで存続します。

それに家の所有権はあくまで子供達にあります。つまり子供達にとっても自分の母親に家を売らせて困らせたりすることなく自分たちの相続分を満たすことができます。まさにWin Winですね。

なお、総務省の指針によると、居住権の価格は主に配偶者の年齢を考慮した上で決定されます。年齢が高いほど居住期間が短くなるだろうということで居住権は安くなります。

[ZR006:雑記]第70回さっぽろ雪まつり

今年で70回目を迎えるさっぽろ雪まつり。念願叶ってついに訪れることができました。

新千歳空港。晴れていますがやはりひんやりとしています。
札幌駅前です。
宿にチェックイン後、調べておいた近くのラーメン屋へ直行。昭和41年創業のラーメン屋『大公』。昔ながらの味付けにホッとさせられます。おいしい!

腹ごしらえを終え、いざ、雪まつり会場となる大通り公園へ。事前にある程度調べていたので驚かないつもりでいましたが、いざ実物の作品群を目の前にすると、やはりそうはいきませんでした。巨大作品の迫力はもちろん、その他の作品群もそれぞれが実に精巧で芸術的センスが高く、とにかく圧倒されました。どの作品も作者の強い思い入れが感じられ、大変刺激になりました。

会場に到着すると、さっそく大きな建造物と大勢の観光客の姿が!これは期待できます。
近づいてみるとこんなに精巧にできています。
ちびまるこちゃんです。この作品は私のお気に入りです。
かわいらしくていきいきとしたまるちゃんの表情。雪の質感を上手に使っています。
チコちゃんです。常にひとだかりができていて写真を撮るのに一苦労でした。他にも紹介しきれないくらいのたくさんの作品が並んでいました。

夜になるとライトアップやプロジェクションマッピングがはじまります。昼間の静かな様子から一変。華やかな雰囲気に変化します。

巨大雪像。JRAの作品です。この後、プロジェクションマッピングでこの馬が走り出しました。
巨大雪像。人だかりができています。こちらもこのあと軽快な音楽に合わせてノリノリに動き出しました!
巨大雪像。JR貨物の作品です。実物大(?)の鉄道がトンネルから抜け出てきています。ご覧のようにプロジェクションマッピングで動きます。ストーリー性に富んだ内容が魅力的です。観客もみなさんくぎづけになっていました。
巨大雪像。スターウォーズです。左の方にいる外人さんと比較するとスケールの大きさがよく分かります。

楽しくてあっという間に半日が過ぎ、またおなかが空いてきました。北海道といえば、そう、やはり海鮮です!

寒さが厳しくなってきたところで、地元の料亭である『海鮮まるだい亭』へ。きれいなお店で個室もあり、居心地がいいです。
温かい蟹雑炊。ふーふー。外が寒すぎたので最初からこれ。身体が暖まり生き返りました。
刺身から揚げ物までいろいろと美味しくいただきました。この写真は地元ならではの新鮮な刺身です。

おなかが一杯になったところで、すすきのにある雪まつり会場へ。こちらは雪像ではなく氷像になります。

すすきのの街。遅い時間ですがまだまだ大勢の人達で溢れています。
趣向を凝らした作品が並んでいました。

翌日は雪の札幌となりました。この日は大通り公園の先にある札幌テレビ塔とその近くにある札幌市時計台を目指しました。

雪の札幌。少し風も出てきました。
大通公園では自衛隊のみなさんによる雪像の整備が行われていました。こうして見るとやはり大きい!
札幌テレビ塔を見上げたところです。
建物内部。テレビ塔のゆるきゃらである『テレビ父さん』があちこちで出迎えてくれました。
テレビ塔の展望室から下を覗き込むとこんな感じ。人々がまめつぶに見えます。
有名な札幌市時計台。高くて四角いビルに周りを囲まれており、とりわけ異彩を放っていました。
時計台内部にある塔時計の模型。複雑な歯車が巧みに組み合わさって実際に時計がチクタクと動いていました。
この日はかなりの寒さで、時計台の屋根にはつららが!
帰りの飛行機の窓から。夜景が美しいです。ありがとう札幌!また来ますね。

[SK028:相続]自筆証書遺言の検認の申立て

検認とは裁判所が行う、遺言書の検証手続きのことです。自筆証書遺言の偽造や変造を防止し、その存在を相続人達に通知します。検認の申立て手続きについては以下の通りです。遺言書を発見したら、まずは家庭裁判所に連絡しましょう。


<検認の申立て手続き>

申立先:家庭裁判所(遺言者の最後の住所地)

期限:遺言書発見後すみやかに

必要書類等:申立書、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本、相続人目録、遺言書、申立人の印鑑、印紙代・切手代等

[PE007:Excel]表のタイトルを複数セルの中央に表示する

下の表では一列目にある表のタイトルが左端にきており、いまひとつ見栄えがよくありません。

そこで、A1セル~B1セルの中央付近にタイトル文字を配置し直したいと思います。今回はその方法をふたつお伝えします。

ひとつめは、対象の複数セル(今回の例ならA1とB1)を選択した状態で『セルを結合して中央揃え』ボタンを押す方法です。

この方法は最も手軽に複数セルの中央に文字を配置できます。しかし同時にセル結合をしてしまいます。セル結合は後で表を加工する際に崩れたりして結構邪魔になります。できれば使いたくありません。

そこでふたつめの方法です。対象の複数セル(今回の例ならA1とB1)を選択した状態で、マウスを右クリックし『セルの書式設定』を開きます。『配置』タブ内にある『横位置』のプルダウンメニューを開き、『選択範囲内で中央』を選んで『OK』を押します。

すると、タイトルを中央に配置することができました。

余計なセル結合が発生しないので、コチラの方法をお勧めします。